あけましておめでとうございます。
年末年始はゲーム開発を休憩して、
たまっていた別の用事を片付けたり、ゆっくりと過ごしたりしていました。
そして先日からまた開発を再開し、今は演出面のアップデートに時間をかけているところです。
製品版をリリースできるまで、もうしばらくお待ちいただきますが、それまで体験版をお楽しみいただけると幸いです。
そしてよろしければ感想やご意見をコメントいただけると、とても嬉しいです。
さて、長い間書いては消し、消しては書きを繰り返してきた物語を、いざ世の中へ公開するにあたり、
ゲームとしてリリースする方法を選択した時、『アドベンチャーゲームにしよう』と思ったのは、
私にとってはとても自然なことでした。
小学生の頃からテレビゲームが大好きだった私は、
アクションやRPG、シューティングなど、様々なジャンルのゲームを体験するなかで、
特にアドベンチャーゲームに夢中になりました。
『新・鬼ヶ島』や『ポートピア連続殺人事件』など、自分が考えて起こした行動によってストーリーが進むというゲームならではのインタラクティブ性に、
もうひとつの趣味だった推理小説や冒険ものの物語を読むのとは違う魅力を感じていました。
もちろん、『弟切草』『かまいたちの夜』『街』に代表されるサウンドノベルも大好きでしたし、
07th expansionの『ひぐらしのなく頃に』『うみねこのなく頃に』のゲーム外で盛り上がる仕掛けに夢中になりした。
しかし、特に『推理』にフォーカスしたときに、
選んだ選択肢に身を任せるサウンドノベルよりも、
より能動的に謎解きに関われる(ことが多い)アドベンチャーゲーム…『逆転裁判』や『ダンガンロンパ 』など、素晴らしいアドベンチャーゲームに触れるたび、
いつか自分でこんなゲームが作れたら、と思うようになりました。
そんなわけで、いざ自分がゲームを作ろうと思った時に、
迷うことなくアドベンチャーというジャンルを選んだのです。
次回の裏話では『AIを活用したゲーム作り』について、私の個人的な考えを書いてみたいと思います。
ご興味がありましたら、ぜひご覧ください。
社会人になってしばらくして、心身ともに少し余裕が出てきたころ。
学生の頃から好きで書いていたオリジナルストーリーの続きを、また書き始めてみたのがきっかけでした。
その当時は特にどこかに公開しようとか思ったことは無かったのですが、
そのとき初めて、ふと「せっかく書いたものを、誰かに読んでもらえないかな」と思いました。
私が物語を書きだした頃に比べて、ネットが発達してSNSが世の中に浸透し、
個人が作ったものを発表する場所が、昔に比べてぐっと増えた、というのが理由だった気がします。
無名なのにものすごく上手い絵や、商業作品でも通用しそうな凝った小説を公開している人がいる一方で、
未完成の状態の作品や、まだまだ実力が伴っていない人でも
とにかく作ったものを人に見せて、ああでもないこうでもないと議論してもらってるのを見て、
「うらやましくなった」というのが本当のところです。
もっと身も蓋もない言い方をすれば、
「これなら自分が書いてる物語のほうが、もっと評価されるに決まってる」
という謎の自信を持っていたのです。
モノづくりをしている方なら、こんないわゆる「承認欲求」は
大なり小なり、どなたでも持っているのではないでしょうか。
結局、私のこの小さくも自己主張の激しい「承認欲求」はその後、いとも簡単に打ち砕かれることになります。
ネットの片隅に投げた私の作品は、ほとんどだれの目にも触れることのないまま、どこかへ流れていってしまいました。
その作品自体は、もう私のパソコンのどこを探しても残ってはいませんが、
このときに書いた物語の主人公が、「火ヶ埼なつみ」という少女でした。
当時の「火ヶ埼なつみ」は、いまの『奇跡の探偵』の「なっちゃん」とは、年齢も性格も違っていましたが、
特徴的な真っ赤な髪や、人の懐に飛び込むのがうまいという個性は、そのころから変わっていません。
名前のゴロの良さも気に入っていて、
それ以降、私が書く物語の主人公やヒロイン、脇役など、いたるところに彼女が登場するようになりました。
そのときそのときで、私が興味のあるものや、読んだもの、観たものを作品に取り込んでいく中で、
「なっちゃん」は、あるときは学生であり、あるときは成人女性であり、またあるときは警察官であり、モビルスーツのパイロットだったりもしました。
しかしどんな世界であっても、
彼女は明るく前向きで、誰からも好かれ、誰のことも大事に思って行動することだけは、変わりませんでした。
彼女が生まれてからおおよそ5年ほどが経った頃。
「なっちゃん」は、何か不思議な能力を持ち、その力を持て余しながら、それでも前向きに人生を生きる、という役を演じるようになっていました。
自分が何者なのか悩みながら、何者かになりたいと願う、
そんな彼女の姿勢が、私自身に重なったような気がしました。
長い付き合いの中で、
いつしか私は、そんな「なっちゃん」にとっての幸せを探すようになりました。
彼女の幸せを考えることを、自分にとっての幸せ探しのように考えることが多くなりました。
彼女が愛し、そして彼女を愛してくれる可能性がある男の子として、
「望月鼓太郎」くんを生み出しました。
彼もまた、様々なキャラクターを演じながら、つかず離れず、「なっちゃん」とともに歩き始めました。
そう、『奇跡の探偵』は、「火ヶ埼なつみ」が幸せを求め歩く物語です。
その傍には、「望月鼓太郎」がいます。
この二人が、どんな結末を迎えるのか。
私は今からラストシーンを描くのがとても楽しみです。
次回の裏話では、『奇跡の探偵』が今の「推理アドベンチャーゲーム」になった経緯をお話ししようと思います。
もしご興味があれば、また読んでいただけますと幸いです。